Blogインテリアシリーズ
VOL.21
Artek Bench 153A

フォルム設計に現存する100を超えるインテリアを紹介するこのシリーズも20回を超えました。今回はフィンランドを代表する建築家、Alvar Aaltoが1945年にデザインした名品『Artek Bench 153A』についてご紹介します。

 

 

 

合理性を追求するあまり冷たくなりがちなモダニズムのなかで、彼は常に「人間らしさ」と「自然との共生」を重視しました。

特徴的なLレッグは、彼が編み出したフィンランドの曲げ木技術の集大成。無垢のバーチ材を蒸して曲げることで強度を保ちながらも、構造そのものが装飾となるような美しさを生み出しています。
座面には成形合板を使用し、軽量性と強度を両立。結果として、ベンチ全体は非常に扱いやすく、かつ高い耐久性を備えています。

 

弊社ではショールームから設計室の間に置いており、靴を脱いで上がっていただく際にお使いいただいています。年月を経て飴色に変化したバーチ材の風合いは、Alvar Aaltoが大切にしていた“人の持つ温かみ”を感じることができます。使い込むほどにその魅力が深まる、北欧デザインの傑作です。